荒川が近く、隅田川などの河川にも接している台東区は、都心のなかでも防災に対する意識の高さがうかがえるエリアです。
今回は、さまざまな防災対策を実施し、住民の安心や安全を支える台東区の取り組みをご紹介します。
目次
区内に住む人たちを支える台東区の防災に関する取り組みをご紹介します。
台東区では後述するハザードマップのほか、多彩な取り組みや支援、サービスが実施されており、台東区の防災意識の高さや取り組みから、安心感が得られるでしょう。
台東区の避難について
台東区では、区民の避難に対して、3つの避難施設を用意しています。
大規模地震の直後や、火災の延焼によって、一時的に集団で避難する場合は小規模な公園などが「一時集合場所」として利用されます。
自宅が災害で焼失したり、倒壊したり、生活の場を必要とする人への救援として「避難所」を用意。
台東区は、区立の小中学校、都立の中学高校などを避難所として指定しています。
さらに、市街地が被災した場合、安全を確保する取り組みとして大規模な公園などを「避難場所」として設定しています。
具体的には、上野公園、隅田公園の一帯、また谷中墓地も設定されています。
「集合住宅向け防災ハンドブック」と「安全・安心ハンドブック」
事前に防災の知識を備えておくことで、もしものときにも的確な行動ができますね。
正しい知識の提供にも積極的に取り組みを見せています。
たとえば「集合住宅防災ハンドブック」。
マンションなどの集合住宅における震災対策や、高層階ならではの地震対策について掲載されています。
また、防災とあわせて防犯にも活用できる「安全・安心ハンドブック」も作成。
外出先で被災した場合の対策や、防災の備えなど、わかりやすいイラストと一緒に解説した冊子です。
子どもから、高齢者まで読みやすく配慮されているだけでなく、英語版や中国語版などでも情報提供している、台東区の"防災虎の巻"といえるハンドブックです。
これらのツールはいずれも、台東区のホームページから閲覧やダウンロードが可能です。
避難する区民のための備蓄や飲料水を確保
多角的に、区民の命を支える台東区では、施設の整備のほか食糧確保の取り組みもおこなっています。
避難所とされる学校には、食べ物のほか生活に必要な日用品が分散備蓄されています。
備蓄は、おかゆやクラッカーのほか、赤ちゃんがいる家族には粉ミルクや紙おむつも用意されており、心強いですね。
そのほか、簡易トイレや、かまどセット、テントなどがそろっています。
ただし、各自でも最低3日分の食料や飲料水などを備蓄することを推奨されていますので、それぞれでも意識を心掛けておきましょう。
また、命の綱ともいえる飲料水については、避難所にミネラルウォーターを備蓄しているほか、耐震性地下貯水槽や井戸の整備の取り組みもおこなっています。
被災時には、給水体制が確立されるまで、貯水槽や井戸を活用予定。
上野公園や隅田公園など、複数の場所に設置され、給水量なども計算されており、綿密に計画された取り組みですね。
防災アプリ「台東防災」
平成27年にはスマートフォンのアプリ「台東防災」の配信が開始されました。
様々な防災ガイドが閲覧できる他、安否情報の発信や確認ができたり、現在地からした指定した避難所や一時滞在施設までの経路が検索、表示ができます。
万一の事態が起きたときに役立つかもしれませんね。
防災出前講座
台東区では、子どもだけでなく、家族みんなが正しい防災知識を得られるよう啓蒙されています。
たとえば、町内やマンション単位で、防災の情報を教えてもらえる防災出前出張です。
区の防災普及指導員が講師となり、身を守る方法や家族との連絡方法、災害時の自助や共助など、多岐にわたる内容です。
さらに、起震車体験や、D級ポンプ取り扱いなど実技の受講もできますよ。
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「在宅避難のすすめ」とは
台東区では、「在宅避難のすすめ」としての防災情報を発信しています。
たとえば、現在は必ずしも避難所が一番の避難先とは限らず、密を避けた「在宅避難」によって、災害と感染症から同時に身を守れる場合もあります。
あわせて、在宅避難時に缶詰など、すくない食材でおいしくつくれる災害時のためのレシピ集なども公開。
また、自宅に備えておきたい地震対策や火災対策のための消化器や家具転倒防止器具、水害時のための吸水土のうや、簡易トイレなどの用品もあっせんしています。
普段、購入する機会がなかなかない防災グッズやなどが、申し込めますよ。
詳しくは区のホームページをご覧ください。
水害時や大地震発生時のための在宅避難についての情報提供
「在宅避難のすすめ」では、水害と地震にわけて、災害後に在宅避難の利用が適しているか、チェックできるフローチャートも公開しています。
「在宅避難のすすめ」のチャートを確認することで、在宅避難のほか、避難所への避難がよいのか、安全な場所に住む親せきや知人を頼る縁故避難が向いているのかを各人が簡単に参考にできます。
ハザードマップのほかにも、前もって、避難方法など知識が得られる情報源があるのはうれしいですね。
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ハザードマップとは?
ハザードマップとは、自然災害が発生した際の影響を予測し、各所の予想される被害について地図上で確認できるよう可視化したものです。
自分の住むエリアのハザードマップを確認することは、もしもの災害発生時に、自ら的確でスピーディーな避難をおこなうためにも重要です。
災害への関心や防災意識が高まる日本でも、ハザードマップの整備は進んでおり、台東区でも複数のハザードマップが整備されています。
最後に、台東区のハザードマップについて、解説します。
台東区のハザードマップを確認
台東区では、「水害ハザードマップ(荒川氾濫・神田川氾濫)」「内水氾濫ハザードマップ」「高潮水害ハザードマップ」「土砂災害ハザードマップ」を作成し、いつでも確認できるよう公開しています。
「水害ハザードマップ」は区内全戸に配布されており、荒川が氾濫した場合の地図と神田川の氾濫による区域が確認できる地図、2種類のマップが用意されています。
「水害ハザードマップ」は、荒川や神田川の氾濫に関して、浸水の継続時間、範囲、深さなどの情報のほか、避難経路も確認できます。
実際にハザードマップをもちいて避難経路を歩きながら確認したり、浸水の程度による避難行動を目安にできたり、有益な地図に仕上がっています。
また台東区では、「内水氾濫ハザードマップ」「高潮水害ハザードマップ」の他、「土砂災害ハザードマップ」も新たに作成しました。
区内で土砂災害が警戒されるエリアの詳細地図や、土砂災害に関連する発令や避難の注意点などを確認できますよ。
ハザードマップは、インターネットから誰でも閲覧することも可能なので、ぜひご自身でもご覧いただき、台東区の防災意識の高さなど理解を深めるのにもお役立てください。
またそれぞれのハザードマップは英語版、中国語版、韓国語版も用意されています。
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