ニュースなどでご存じの通り、首都圏の新築マンション価格は上がり続けています。そういった状況のなかで中古マンションを購入し、リノベーションやDIYを行って自分好みの生活空間を手にする人も増えています。中古マンションの魅力は何と言っても新築マンションに比べ価格を抑えられることです。しかし、築年数や管理の状況など価格が変化する要素も多く、中古マンションを選択するにはコツや注意点もあります。そこで今回は中古マンションの選び方について解説します。
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はじめてマンションを購入する人はマンション価格の相場を把握することが大切です。
国土交通省が発表している不動産価格指数によると、マンション価格は2013年から右肩上がりで上昇し続けています。また、公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)のデータによると、首都圏1都3県で2022年10~12月期の中古マンショ平均成約価格は4395万円と、前年同期に比べて11%上昇しています。
マンション価格が上がっている原因としては、コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻などを背景に資材の価格が上昇していること、建築会社の人件費が上昇していることから建築費にかかる費用が従来よりも高騰していることが挙げられます。また、円安を背景に海外の人が投資目的で購入するケースが増えている影響もあります。
日本ではマンション購入を検討している人は、新築マンションを希望する人が多く、新築マンションの価格に手が届かないと中古マンションを検討するという傾向があります。そのため、新築マンションと中古マンションの価格は連動しており、新築マンションの価格が上がれば中古マンションの価格も上がり、新築マンションの価格が下がれば中古マンションの価格も下がります。
なお、台東区の中古マンション価格相場は下記の通りです。
※2023年6月時点で過去3ヶ月の間に「LIFULL HOME'S」に掲載された物件の中から集計した平均価格
【台東区で専有面積70m²のマンション平均価格】
築3~5年以内:5,910万円
築5~10年以内:7,272万円
築10~15年以内:7,071万円
築15~20年以内:7,153万円
築20年以上:5,263万円
荒川区の中古マンション価格相場は下記の通りです。
【荒川区で専有面積70m²のマンション平均価格】
築3~5年以内:6,560万円
築5~10年以内:6,249万円
築10~15年以内:6,427万円
築15~20年以内:5,727万円
築20年以上:4,491万円
中古か新築かを問わず、マンションを購入する際にまず考えなければならないのが資金計画です。マンション価格が高騰した一因は住宅ローンの低金利が続き、多くの資金が借りやすくなった事も挙げられます。首都圏の新築マンション購入者の平均借入額は2021年に約4900万円だったという調査結果もあるようです。しかし、借りやすい分、収入に対する借入額が過剰になりやすいとの指摘も多くあり注意が必要です。
例えば貯蓄がほとんどない状態で、購入費用の全額を変動型金利の住宅ローンで借りると、将来金利上昇の際には利息が膨らみ、返済が難しくなる可能性があります。売却しようと思っても、値下がりしていてローンの残債が売却額を上回り「オーバーローン」の状態になると、その後の生活設計を大きく狂わせる要因となります。収入などを踏まえ、無理の無い範囲で予算を決めてください。
予算内で希望マンションの購入が難しい場合は、借り入れを増やすなど資金面で無理をするのではなく、物件の対象を広げる事を検討して欲しいと思います。例えば「立地」の条件を変えるのも一つの方法です。本来であれば、不動産購入の際には「立地」にこだわり、なるべく好立地の不動産購入をご検討いただきたいと思います。しかし、予算を大きく抑える事ができるのは「立地」を変更する事で比較的簡単に出来ます。立地は大きく分けて、都心からの距離や通勤時間など「広域的な立地」と、最寄り駅からの距離という「狭域的な立地」があります。本来であれば、広域的な立地の方が重要と言われますが、予算の兼ね合いでご調整をしていただけると良いのではないでしょうか?
駅に近いマンションは人気で、駅からの距離は物件価格にも大きく影響しがちです。逆に駅から少し離れた物件は価格が下がりやすいと言われます。例えば希望する駅から徒歩5分の物件に手が届かなければ、同じ駅でも徒歩7分以内の物件、10分以内の物件と条件を広げていく事で予算に合ったマンションが見るかる場合も出てきます。このような条件変更は駅周辺の商業施設など利便性は変わらず、通勤時間もあまり長くならず、手の届く価格なら許容できるのかもしれません。
物件の築年数も価格に影響します。勿論、新しいマンションの方が快適な事が多いかもしれませんが、価格を含めた魅力は簡単には判断できません。東日本レインズの調査によると、新規に売り出された中古マンションの平均面積を築年数別にみると、21年~25年が最も広く、子供がいる家庭の場合は、少し広めのマンションを希望するなら築20年を超す物件が狙い目なのかもしれません。平均価格も築年数が増えるにつれて安くなる傾向がありますが、築15年を過ぎると下がり方が緩やかになる事を知っておくと良いのかもしれません。
中古マンションを選択する際、管理状態についても確認をおススメします。「マンションは管理を買え」と言われるぐらい非常に重要です。建物の外見が重要な判断材料にもなりますし、エントランスや駐輪場、ごみ置き場などの共用部がきれいに維持されているかも重要なポイントです。中古マンションを購入する前には、マンションがきちんと管理されているかどうか、チェックを忘れずにして下さい。
管理会社だけでなく、住民がマンションの資産価値を維持しようと意識されているかどうかも大きなポイントなります。住民の管理に対する意識の高いマンションは資産価値が下がりにくいと言われます。実際に同じような立地、面積、築年数のマンションでも外見の違いで成約価格に大きな差が出る事も珍しくありません。また、マンションを購入する前に、修繕積立金や管理費の長期間滞納している区分所有者がいないかどうかも確認していただきたいと思います。修繕積立金は滞納が無かったとしても、そもそも大規模修繕に必要が額に足りていないケースも少なくありません。
マンション検討時には管理費・修繕積立金のチェックを
支払う側からすると安ければ安いほど良いと思ってしまいがちな管理費・修繕積立金ですが、安すぎる設定はそれだけ将来の値上げリスクを伴うので、必ずしも安い方が良いとは言えません。
国がマンションの管理費と修繕積立金について、目安となる金額を出しているので、マンション検討時には国の想定値と比較して安いか高いかを確認した方が良いのですが、この想定値は平米単価のため、検討している物件ごとに平米数をかけて判断するのは非常に手間です。
そこでお勧めなのがSelFin(セルフィン)です。価格の妥当性や耐震性など物件の善し悪しを自動で判定するWEBアプリなのですが、広告情報から管理費と修繕積立金についても国の想定値が自動で表示されるので、安めに設定されているか、高めに設定されているかを瞬時に判断できます。
パソコンで物件探しをする場合は、SelFinのChrome拡張機能をセットしておけば、ポータルサイトの広告情報を開くだけで、SelFinの判定が自動で表示されるようになるので、非常に便利です。
SelFinのご利用は無料なのでぜひご活用ください。
自然災害などで被害に遭うと、マンションの資産価値が下がる事もあります。耐震性と水害に遭う可能性についても確認をされる事をおススメします。耐震性については建物が1981年の新耐震基準に合致しているか、耐震改修工事済みかなども確認し、自治体が公表している地盤マップやハザードマップを参考にしていただきたいと思います。マンションを選ぶときには勤務地などから探す方も多いため、水害の可能性があるエリアを選択することもあるかと思いますが、将来のリスクの一つとして把握しておくは重要ではないかと思います。
現在、新築マンションの価格が上がり続けていることで、中古マンションを選ぶ方が増えています。マンションを購入するときは、まずは資金計画を立てることが重要です。その上で、中古マンション選びのポイントとして建物の管理状況などを確認することが大切です。すべての物件には良い点もあれば悪い点もあります。それらを考慮した上でご自身に合ったマンションを探してみてください。
1940年創業、台東区・荒川区で地域密着