竹隆庵岡埜(ちくりゅうあんおかの)は昭和33年創業の老舗和菓子店です。
東京には岡埜栄泉という和菓子屋店がたくさんありますが、その暖簾分けしたお店の一つです。
古き良き時代の根岸を語り継ぐ伝統の技法で、全国から厳選された原材料を用い季節ごとに様々な和菓子を提供しています。
まさに和菓子好きだったら一度は味わってみたくなるお店です。
店舗は台東区根岸の本店を中心に日暮里、町屋、鶯谷北口、上野など9店舗。
また松坂屋上野店、エキュート上野店でも販売しており手軽に竹隆庵岡埜の味が楽しめます。
◆代表は“こごめ大福”
気になる和菓子のほうは、何といってもこのお店の看板商品「こごめ大福」です。
江戸庶民に親しまれていたお菓子「こごめ餅」に根岸の里の茶屋が餡を包みいれ上野輪王寺宮公弁法親王に献上した所大変喜ばれ、これを「こごめ大福」と名付けたのが始まりだそうです。
材料の仕入れ先は決めず、その年の良いものだけを使うというこだわり様。味は通常の物とよもぎ味があります。
決して甘すぎない上品な餡と柔らかなお餅のハーモニーはいかにも大福の王道です。
他の大福ではありえないほどの厚みで結構ずっしりとしていますし、表面が焼いてあるので香ばしく食べ応えは十分です。
◆トラ模様のどら焼き“とらが焼き”
他には「とらが焼き」というどら焼きがあります。
国産小麦100%にこだわった生地をトラの模様になるように焼き上げたものです。
ミネラル豊富なきび砂糖も配合され、ふわふわでしっとり卵の香りがふんわりと香るどら焼きです。
餡は通常北海道産小豆のおぐら餡ですが、季節によって桜餡やゆず餡、栗餡など餡の種類が変わったものも楽しめます。
◆職人の技を感じられる“栗きんつば”
その他には「栗きんつば」があります。
厳選された北海道産の小豆を用い、職人が手作業で丁寧に焼き上げたものです。
六面を一面づつ鉄板で焼いていき、さらに十二か所のふちをハサミできれいに切り落とします。
このお店の和菓子の中でもたいへん手間のかかる一品です。
またこちらも他店より大きく食べ応えがあります。
ですが、甘さ控えめで小豆の風味を存分に楽しむことができます。
◆御行の松不動がモチーフ“館最中”
珍しいものとしては「館最中」があります。
これは家の形をした最中の皮の中に大きな栗または羽二重餅とおぐら餡の入ったものです。
家の形は江戸百景・根岸の「御行の松不動」をイメージしたかやぶき屋根がモチーフとなっています。
可愛らしい形は創業以来のロングセラー商品です。
◆その他にもラインナップ豊富!美味しい和菓子がたくさん!
この他にも季節の生菓子やお赤飯、慶弔用の饅頭や誕生餅など様々な商品を取り揃えています。
お店のショーケースには色とりどりの和菓子が並び、どれにしようか迷うほど種類が豊富です。
季節限定品や新作もあり、新しいことにも挑戦する職人の心意気を感じます。
また、根岸本店では喫茶しぐれ茶屋というカフェスペースも併設しており、竹隆庵岡埜の味をお茶とともにその場で味わうことができます。
「クリーム宇治金時白玉」や「あわぜんざい」などがありお値段も手頃で、ちょっと一休みして甘いものを食べるのにちょうどいい場所です。