できるだけ安く希望の物件を見つけたいですね。
部屋探しをしているとよく見かける『礼金・仲介手数料』ですが、最近は無料をアピールしている物件も出てきました。
知っておきたい『礼金・仲介手数料』のお話をしましょう。
■そもそも礼金とは何でしょう?
住宅が不足していた戦後には、全くの売り手市場でしたから、条件の良い物件を貸してもらうには、“貸してくれてありがとうございます”といった礼金をつける習慣が生まれたと言われています。
敷金と違い、退去時に返還されないお金です。
賃貸契約では、大家さんはしっかり利益を出したいですし、入居希望者はできるだけ安く住みたいと思いますから、お互いが納得できる合意点を探って契約の運びとなります。
入居競争率が高かった時代には、礼金をつけて借りる側の信用を高めるといった意味もありました。
大家さんからすると、入居者の入れ替わり時には、リフォームや設備の入れ替えがあり、支出が大きくなります。
賃貸経営では、修繕費は経費として確保しているはずですが、余裕を持って運営できれば、ちょっとしたお願いや交渉ごとに融通を効かせやすくなります。
■仲介手数料の決め方は?
仲介業者は、物件を紹介するだけでなく、大家と入居希望者の間にはいって、条件を調整し、契約書の作成をします。
こうした業務の報酬として、仲介手数料が認められていて、法律で上限が家賃の1ヶ月分+消費税までと決められています。
仲介業者は、大家と入居者のそれぞれに仲介手数料を請求できますが、それぞれから0.5ヶ月分+消費税にする場合もあり、下限や割合は決められていません。
ただ、仲介業者にとっては、入居者から仲介手数料を上限金額で請求し、大家さんからは広告料として収益をあげる場合があります。
仲介業者としては、何かしら報酬が上がれば問題ありませんから、ケースバイケースとも言えるのです。
■礼金や仲介手数料なし物件の理由は?
大家さんにとって空室リスクは、大問題です。
築年数が経っている、日当たりや利便性が悪いなど、お客さんがつきにくい物件では、条件を見直して入居者が決まりやすくなるように検討します。
礼金の辞退、仲介手数料の負担を大家さんがしても、3ヶ月以上空室になってしまうことを考えると、入居者が決まったほうが良いという考え方なのです。
このやり方なら、家賃を値下げせずに済みますから、入居を決めた人が長期入居してくれたら、しばらく空室リスクから開放されます。
ただし、大家さんから見ると、出費がかさむ入居時の収益の保証を取って、安心して家賃を値下げするという選択肢もあるはずです。
目先の“無料・ゼロ”に惑わされずに、希望の条件を円満に整えてくれる不動産仲介業者に相談したいですね。