部屋探しをしていると、敷金・礼金ゼロという物件を見かけます。
契約時の費用を押しあげている項目がゼロだなんてラッキーだと思われるかもしれませんが、デメリットはないのでしょうか?
敷金・礼金ゼロ物件についてお話しましょう。
■敷金・礼金がゼロってなに?
大家さんは、空室になったあと補修やハウスクリーニングをかけて入居者募集をします。
入居者の入れ替えには資金が必要になります。
また、賃貸契約は大家と入居者双方の信頼関係があって初めて結べるものですから、はじめに前家賃とあわせて、家賃延滞や破損に備えた費用を預けておくという習慣があるのです。
こうした“預けておくお金”がなくても、経営が成り立つ仕組みになっているのが、敷金・礼金ゼロの物件です。
■敷金・礼金ゼロのデメリット
敷金・礼金ゼロの物件はざっくり言って2パターン。
それぞれの特徴とデメリットをあげてみましょう。
<①大手業者運営>
大手のネットワークを使い入居者を集めており、初期費用を下げていますが、退去時に費用が発生することが多い物件。
入居者にとってのメリットは、付加サービスが充実していて短期入居には便利だという点。
*デメリット*
・退去時の支払いが原状回復・クリーニングなど敷金並にかかることが多い。
・建築費を下げて見栄えや付加サービスで勝負する物件も多く、「生活音が気になる」など質に問題がある場合がある。
・家具などのリース代込みのキャッシュフローになっており、長期利用では割高になる。
<②地元業者・個人運営>
空室対策として、他との差別化をはかりたい、特徴を押し出して集客したい。立地や質に不満がなければラッキーな物件。
*デメリット*
・駅から遠い、築年数が古いなど住宅としての人気が薄い物件が多い。
・物件により、退去費用が請求される場合があり、特約内容によって扱いがマチマチ。
・入居のハードルが低いので、生活スタイルが不安定な住人が集まりやすい。
■敷金・礼金ゼロの契約内容に注意!
初めての一人暮らしで、初期契約費用を負担に感じる場合、魅力的に見えますが、トータルでは支払い金額に大きな差はありません。
敷金・礼金がある場合には、延滞や破損があった場合にも、大家さんは余裕を持って対処できます。
一方、敷金・礼金ゼロ物件は、大家さんに取っての保証がないため、家賃を高めに設定していたり、退去時の費用がそっくり請求されたりしやすいです。
2年以上借りる予定なら、敷金・礼金がきちんと設定されていて、トータルの支払いが見積もりやすく、安心して住める住宅がおすすめです。