賃貸住宅を借りれば、通常、毎月家賃を支払うこととなります。
この家賃ですが、支払い時期について決まりのようなものはあるのでしょうか。
■家賃発生の時期
家賃はいつ払うかの前に、家賃はいつから発生するかを考えてみましょう。
意外なところでトラブルのもとになったりすることがあります。
まず、家賃が発生するためには部屋を借りていることが条件となりますが、その起算日がいつなのかということが問題となります。
まず、結論から言いますと、賃貸借契約書に記載された日付から賃料が発生します。
契約日といっても、契約を締結した日と契約開始日のどちらなのかが曖昧ですと、勘違いの元となります。
基本的には契約開始日が賃料発生日で、契約締結日は関係がありません。
ただ、もしフリーレントなどがあれば、契約開始日から何日間は賃料が発生しないなどの旨の記載があるかもしれません。
特に契約締結日から実際に入居できる日まで期間が空く場合には、賃料発生日をしっかりと確認するようにしましょう。
■家賃の支払い時期
家賃の支払い時期について決まりはあるのでしょうか。
前払いなのか後払いなのか、月初なのか月末なのか、考えてみると気になるところです。
民法614条には、賃料の支払い時期について次のように賃料の後払いを原則としています。
「賃料は、動産、建物及び宅地については毎月末に、その他の土地については毎年末に、支払わなければならない。
ただし、収穫の季節があるものについては、その季節の後に遅滞なく支払わなければならない。」
しかし、実際には多くの賃貸借契約で月末までに次月分の支払いを行う前払いの契約が締結されています。
民法の規定は当事者間の合意を排除するものではありませんので、前払いで合意が形成されれば特に問題はありません。
しかし、なぜ民法では後払いを規定しているのに実際は前払いが主流なのでしょうか。
賃料の支払い債務と部屋を貸すという債務とでは、圧倒的に賃料の支払い債務のほうが不履行となる可能性が高いと考えるのが合理的です。
賃貸借関係は大家と借主との信頼関係から成り立つものです。
家賃の支払い遅延や滞納があった場合に、家賃の督促などの負担は決して小さいものではありません。
したがって信頼関係を破壊しないためにも前払いという方法が有効であるため採用されているという解釈が主流のようです。
■家賃の支払い時期や条件も契約書で確認
家賃の支払い時期や方法についても、賃貸借契約書に記載された事項に従うこととなりますので、契約締結前にしっかりと確認をするようにしましょう。
譲れない条件などがあれば、契約は交渉事ですから受け入れて貰えることもありますので、早めに仲介業者の方に伝えることをお勧めします。
とはいえ無理を言い過ぎることは無いようにしたいものです。