初めてマンションを売る人向けに、マンション売却の流れについて解説します。
マンションを売却するには、全体の流れを把握し、余裕を持ったスケジュールを組むことが高く売るコツです。
時間に余裕がなく焦ってしまうと、安く売ることに繋がります。
また、住宅ローンが残っている人は、買主からお金がいつ入金されるのかも気になるところです。
この記事では、「マンション売却の流れ」と「お金の流れ」について解説します。
台東区・荒川区のマンション売却は弊社へ!
マンション売却の全体の流れは下図の通りです。
【期間】
「自宅の価格査定」~「販売活動の開始」までの期間は2週間程度、「販売活動の開始」~「売買契約の締結」までが3ヵ月程度、「売買契約の締結」~「引渡」までが1ヵ月程度です。
なかなか売れないケースでは「販売活動の開始」~「売買契約の締結」までの期間が3ヵ月よりも伸びることもあります。
「自宅の価格査定」~「引渡」までのトータル期間は、4.5~6ヵ月程度です。
また、確定申告が必要な場合には、売却した翌年の2月16日から3月15日までの間に行う必要があります。(土日の都合で若干日にちがずれる年もあります。)
なお、早く売却したい方は不動産会社の「買取」を利用することで、販売活動がなくなるためスピーディーに現金化が可能です。
【諸費用】
マンション売却では、売却価格の約4%~6%の諸費用が発生します。売却代金がすべて手元に残るわけではありませんので、必要な費用について事前に把握しておきましょう。売却費用の内訳は以下の通りです。
・仲介手数料:売却価格×3%+6万円(税別)
・印紙税:1~6万円 ※売却価格により異なる
・登記費用(登録免許税・司法書士の報酬):1~3万円
・一括返済手数料(ローンが残っている場合):1~3万円
・譲渡所得税(売却で利益が出た場合):売却利益×所有期間に応じた税率(所有期間が5年以下なら39.63%、所有期間が5年超なら20.315%)
・その他諸費用(引越し費用やハウスクリーニングなど)
ステップ①自宅の価格査定
マンション売却では、最初に価格査定を行います。価格査定を行う理由は、「いくらで売れそうか」を知り、「適切な売り出し価格を決める」ためです。
不動産会社が提示する査定価格は、概ね3ヵ月程度での売却を想定しています。売り出し価格が安過ぎると早く売れますが、高過ぎると全く売れなくなります。売り出し価格の設定は、売却期間にも影響します。安過ぎず適切な期間で売れることを目指した価格が、査定価格です。
台東区・荒川区の価格査定なら城北商事不動産部にお任せください。おおよその価格を知りたい方は「かんたんAI査定」、精度の高い価格を知りたい方は「訪問査定」よりお問い合わせください。
◆査定時に必要な書類
・身分証明書(Ex.運転免許証・パスポート・マイナンバー)
・登記済証(権利証)または登記識別情報通知書
・マンションのパンフレット(間取り図などが分かるもの)
ステップ②媒介契約の締結
依頼する不動産会社が決まったら、媒介契約を締結します。
媒介契約とは、不動産会社に依頼する仲介の契約のことです。
媒介契約には、下記3つの種類があります。
・専属専任媒介契約:1社の不動産会社とのみ売却依頼できる契約で、売主自らで買主を見つけても必ず不動産会社に仲介してもらい契約しなければなりません。つまり依頼した会社に全面的に任せる契約です。契約の有効期間は3か月以内です。レインズの登録や販売報告義務あり。
・専任媒介契約:専属専任媒介と同様に1社の不動産会社とのみ売却依頼できる契約ですが、売主自らで買主を見つけた場合には、直接取引が可能です。契約の有効期間は専属専任媒介契約と同じく3か月以内です。レインズの登録や販売報告義務あり。
・一般媒介契約:複数の不動産会社に重複して売却依頼できる契約で、買主との直接取引も可能です。契約期間の定めはありません。レインズの登録や販売報告義務もありません。
どの種類にもメリット・デメリットがありますが、専任媒介契約が1番バランスがよく、手厚いサポートが受けられる点でオススメです。
◆媒介契約時に必要な書類
・マンションの管理規約
・固定資産税評価証明書または固定資産税納税通知書
ステップ③販売活動の開始
インターネット広告用の写真撮影や、内覧の準備が整ったら販売活動の開始です。
内覧とは、購入希望者に家の中を見せる販売行為のことを指します。
なお、マンションを販売する際の売り出し価格は査定価格を基準に決めていきますが、一般的に査定価格は3カ月以内に売れる価格を指すので、それより早く売りたければ査定額より価格を下げ、期限に余裕があれば査定額より高く設定できます。
マンション売却では、「販売活動の開始」~「売買契約の締結」までの販売期間が最も時間がかかります。
販売期間を短くすると、焦って安く売る「売り急ぎ」に繋がります。
マンションを適切な価格で売るには、販売期間に余裕を持つことがコツです。
また、多くの人に物件情報を届けた方が早く高く売れる可能性が高まるので、城北商事不動産部では魅力的な写真を撮影した上での物件情報サイトへの掲載はもちろん、地域の方への紹介、チラシ配布などを実施しています。
ステップ④買付証明書の受領
購入希望者の中で、本気で買いたい人が現れたら買付証明書を受領します。
買付証明書とは、物件を購入したいという正式な意思表示をするための書面です。
買付証明書を受領しただけでは売買契約は成立しません。
あくまでも、売主が買付証明書の内容に対して同意しないと売買契約に進まないことになっています。
買付証明書には、購入希望価格も明記されています。
仮に購入希望価格が売り出し価格よりも低ければ、値引き交渉が行われているということです。
許容できない価格であれば断り、次の購入希望者を探します。
それに対して、許容できる価格であれば応諾し、次の売買契約に進みます。
ステップ⑤売買契約書の締結
買付証明書の内容に問題なければ、売買契約を締結します。
契約時には、売主と買主で売買契約書を取り交わし、売却価格やマンションの状態はもちろん、残りの固定資産税はどちらが払うのかなど細かい取り決めも記載します。
不動産の売却は、「売買契約日」と「引渡日」が異なるという点が最大の特徴です。
引渡日は売買契約の1ヵ月くらい後に設定することが一般的となっています。
売買契約は、あくまでも「引渡日に売ります」と書面で約束をするだけです。
所有権を移転するのは引渡日であり、売買代金を受領するのも引渡日になります。
ただし、売買契約時は契約が成立した証として、買主から手付金を受領することが通常です。
◆売買契約時に必要な書類
・登記済証(権利証)または登記識別情報通知書
・印鑑証明書(発行後3か月以内のもの)
・住民票
・固定資産税納税通知書
・実印
ステップ⑥引っ越し
売主が居住中の場合、売買契約から引渡までの間に引っ越しを行います。
買主は、売買契約から引渡までの間に住宅ローンの本審査を通します。
売買契約後に住宅ローンの本審査をするのは、本審査には売買契約書等の書類を銀行に提出しなければいけないからです。
ステップ⑦引渡・残代金受領
買主が住宅ローンの本審査に通れば、無事引渡です。
引渡では、買主から手付金を除く残代金が振り込まれることになります。
◆引渡し時に必要な書類
・登記済証(権利証)もしくは登記識別情報通知書
・印鑑証明書(発行後3か月以内のもの)
・住民票
・本人確認書類(Ex.運転免許証・パスポート・マイナンバー)
・分譲時のパンフレット、管理規約、設備取扱説明書など買主様に引き継ぐもの
・鍵一式、宅配ボックス等のカード、メールボックスの暗証番号
ステップ⑧確定申告
マンション売却では、譲渡益(利益)が出た場合には、確定申告して利益額に応じた税金を納める必要があります。確定申告をしないと、延滞税や無申告税、重加算税といったペナルティが課せられてしまうので注意が必要です。
一方、マンションを売却して譲渡損(損失)が出た場合は、確定申告の義務はありませんが、確定申告することで税金の還付を受けられる可能性があります。
■譲渡益(利益)が出た場合に利用する特例
・居住用財産(マイホーム)を譲渡した場合の3,000万円の特別控除
・長期譲渡所得の税額を通常の場合よりも低い税率で計算する軽減税率
・所有期間が10年以上の場合の軽減税率
■譲渡損(損失)が出た場合に利用する特例
・居住用財産(マイホーム)を買換に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除
・特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除
確定申告は、通常、売却後の翌年の2月16日から3月15日までの間に行います。
ローン残債があるマンションを売却するときのお金の流れについて解説します。
マンション売却の流れの中でお金の動きがあるのは、「売買契約」と「引渡」の2つのタイミングです。
【売買契約時のお金の流れ】
売買契約は、あくまでも売主と買主が「引渡日に売ります」と書面で合意するだけになります。
売買契約時には所有権は移転しないため、買い主からは代金を受け取りません。
ただし、契約が成立した証として買主から手付金を受領します。
手付金は売買代金の10%が相場です。手付金は契約が成立した証であると同時に、契約解除の違約金の役割を果たします。
不動産の売買では、売買契約から引渡までの間に時間があるため、売主も買主も途中で気が変わって売買を取り止めたいということはあり得ます。
そのようなときに違約金にもなるのが手付金なのです。
買主が売買契約を解除する場合、手付金を全額放棄します。
一方で、売主が売買契約を解除する場合、手付金の倍額を買主に戻します。
一見すると、売主は手付金の倍額を返還しなければ解除できないことから、売主が不利な気がします。
しかしながら、売主は既に買主から手付金を受領していますので、売主は手付金と同額の身銭を切れば手付金の倍額を買主に返還することができるのです。
よって、売主も買主も手付金の額を負担すれば契約を解除できます。
なお、買主が契約解除をせずに無事に引渡となれば手付金はそのまま売買代金の一部となります。
また、売買契約では、売主も買主も不動産会社に対して仲介手数料の50%を支払います。
よって、売買契約時点には仲介手数料の半額を用意しておくことが必要です。
(売買契約時もしくは残代金決済時に100%を支払うケースもありますので、仲介手数料の支払い時期については不動産会社の担当者にご確認ください)
【引渡時のお金の流れ】
マンション売却で一番大きくお金が動くのは「引渡」のタイミグになります。
引渡日は、買主から手付金を除く残代金が振り込まれます。
買主からは、残代金の他に固定資産税や管理費・修繕積立金等の精算金も振り込まれます。
精算金とは、引渡日以降の固定資産税等の負担を実質的に買主へ移転するための調整金のことです。
また、引渡日は残りの仲介手数料の50%分も不動産会社へ支払います。
住宅ローンが残っているマンションを売る場合、銀行への一括返済は引渡日と同日に行います。
買主から入金されたら、そのまま残債を銀行に返済するという流れです。
引渡の場には、売主の銀行担当者も同席します。
売主の銀行担当者は抵当権の抹消書類を持参してきており、一括返済の確認ができたらその場で司法書士に抵当権抹消に必要な書類を引渡します。(引渡では司法書士も同席しています。)
抵当権とは、債権者(銀行)が担保を設定した物件から優先的に弁済を受けられる権利のことです。
また、売主は買主からの入金が確認できたら、所有権移転に必要な書類を司法書士に引き渡します。
司法書士は、売主と銀行から登記手続きに必要な書類を預かると、そのまま法務局に向かい、所有権移転と抵当権抹消の登記手続きを行います。
引渡では「買主の残代金等の支払」と「売主のローンの一括返済」、「所有権の移転」の3つを同時に行うという点が特徴です。
まとめ
以上、マンション売却の流れについて解説してきました。
マンション売却の流れは、売買契約と引渡を別日で行うことが通常の売買とは異なる点です。
売買契約は「引渡日に売ること」を書面で約束するだけであり、売買代金が入金されるわけではありません。
手付金を除く残金は引渡日に振り込まれ、ローンの一括返済も引渡日に同時に行うことになります。