建物にはどのような地震対策があるのでしょうか。
こんにちは。1940年創業、台東区・荒川区で地域愛着の城北商事不動産部です。
耐震性の高い住宅にするための建物の工法形式には、耐震構造・免震構造・制震(制振)構造の3種類があります。
それぞれにどのような特徴があり、コストはどう違うかなどを見ていきましょう。
耐震・免震・制震3種類の違いはザックリ下記の通りです。
耐震:揺れを耐える
免震:揺れを伝えない
制震:揺れを吸収する
一つずつ見ていきます。
耐震構造とは、強い柱や梁にする等、建物自体を頑丈にして、地震に耐えられるようにする構造をいいます。
柱に筋交いを入れたり、金物で補強することで強度を確保するケースが多いです。
耐震構造の他の工法と比べてコストが安いことがメリットですが、建物の揺れ自体を減少させるわけではないため、家具の転倒や建物の損傷が生じやすくなります。
免震構造とは、建物と基礎との間に積層ゴム等の免震装置を設置し、地盤と切り離すことにより、建物に地面の揺れを直接伝えない構造です。
耐震構造や制震構造よりも、建物自体が揺れにくく、家具の転倒も少なくなるため、室内での被害を大幅に減少させることができます。
ただし、40~50坪の新築住宅の場合で500万円程度の追加費用が必要となる等、コストが高いことから、戸建住宅ではなかなか採用されにくい構造となっております。
また、軟弱地盤や液状化の恐れがある地盤には、免震効果が期待できないこともあるので、十分な調査が必要となります。
制震構造とは、建物内にダンパーなどの制震装置を設置することで、建物に伝わった地震の揺れを吸収する構造をいいます。
制震構造は、高層階の揺れをある程度抑えることができるため、高層ビルに設置すると効果的で、免震構造よりも安価です。
また、地震の際には、耐震構造よりも壁のひび割れ等、躯体の損傷を少なくできます。
現状では戸建住宅やマンションのほとんどは耐震構造となっております。
しかし、タワーマンション等、高層マンションの場合には、制震構造や免震構造を採用しているケースもあります。
地震はいつ来てもおかしくありません。
これから物件を購入される方は、耐震・制震・免震いずれかの建物かを把握しておくと地震対策として安心材料の一つになるかもしれません。
また築年数で判断できる旧耐震基準と新耐震基準が、地震に強い建物か見分けるための大きな物差しとなりますので、気になる方はチェックを欠かさないようにしてください。