不動産を家族で共有で持っていたけど、それが原因で家族の仲が悪くなってしまった・・・。
こんにちは。1940年創業、台東区・荒川区で地域密着の城北商事不動産部です。
不動産関連でのトラブルの1つに「不動産の共有問題」があります。
そこで今回は、不動産を共有するとはどういうことか、なぜトラブルに発展するのか、そしてその解消方法について紹介します。
法律上、土地や建物は複数人で「共有」することができます。
どういった方法で共有するかというと「土地のどこからどこまで」といった分け方ではなく、観念上「持分として2分の1ずつ所有し合う」といった方式で共有します。
たとえば、ご夫婦で不動産を購入した場合、実際にお金を出した割合に応じて「持分2分の1夫、2分の1妻」というように共有するケースがあります。
同じように、ご親族に一部出資してもらった場合に「持分10分の9本人、10分の1祖父」といった共有の方法もあります。
また、相続によって不動産を取得した際は「持分2分の1母、4分の1姉、4分の1弟」という共有のケースもあります。
では、不動産を共有しているとなぜトラブルに発展してしまうのでしょうか?
それは、不動産を売却する際は、共有者「全員」の同意が必要になるからです。
持分の比率は問いませんので、たとえ持分が100分の1しか所有していない人がいたら、その人の同意も必要になってしまうのです。
親族間であっても意見が一致しないケースは多々あります。
認知症等のご病気や事故等で、共有者の1人が意思表示できなくなってしまった、というケースもあります。
また、共有者が他界すると不動産は相続の対象となり、もともと2人の共有だったものが、3人4人と増えていき、不動産売却をしたくても共有者全員の同意がなかなか得られないということも起きてきます。
どうしても意見が合致しない場合には、裁判所の関与をもって決着を付ける方法もありますが、まずはできるだけ共有状態を回避する方法を検討したいところです。
それでは、ここから不動産共有の解消方法について紹介したいと思います。
①共有持ち分の売買
自己の持ち分を他の共有者に売買する方法です。
ただし持ち分売買の場合、住宅ローンの融資は受けられません。
購入者に資力があれば可能な選択肢です。
②共有持ち分の贈与または放棄
共有持ち分を贈与する場合は、売買と違い無料で持分を相手に移す方法になりますが、一方で贈与税がかかってしまうことがあります。
また、共有持分については放棄をすることも可能です。
放棄した場合、その持分は他の共有者へ自動的に移転することになりますが、持ち分放棄は「みなし贈与」とみなされ、この際にも贈与税が発生しますので注意が必要です。
③遺産分割
相続したばかりで共有状態になっているのであれば「遺産分割」によって共有を解消することもできます。
相続人全員で話し合い、「不動産は母が、株券は長男が、現預金は次男が取得する」というように分けることで、不動産の共有を回避することが可能です。
④その他の解消方法
上記以外には、不動産を第三者に売却してしまって現金で分ける方法(ただし共有者全員の同意が必要)や、それぞれの土地を分けて単独所有にする方法(ただし土地の形状や接道など複数の要素で注意が必要)があります。
今回は、不動産の共有問題について紹介させて頂きました。
不動産を購入する際や相続のときに、家族で分割して所有しようとしたものの、いざ売却をするとなったときに意見が合わず、トラブルに発展するというということはよくあります。
後々のトラブルや、税務リスク、利用方法等も考慮して、共有関係は検討しましょう。
不動産の保有は長期にわたるため、相続などで共有者が増えていくと余計にトラブルに発展しやすくなってしまうので、なるべく複雑にならないよう手を打ちたいところです。