分譲マンションを購入する際には、単に物件価格だけを見るのではなく、修繕積立金も確認することが重要です。
こんにちは。1940年創業、台東区・荒川区で地域愛着の城北商事不動産部です。
今回は、マンションの修繕積立金の額の目安について紹介します。
マンションは新築分譲時には売りやすいように修繕積立金を抑え気味に設定されていることが多いです。
そのため、分譲時に設定された金額で将来修繕費を賄えるマンションはほとんどありません。
ファミリーマンションなのに月額5000円未満等の修繕積立金は、「安くてラッキー」の物件ではありません。
「あれ、おかしいぞ」と考え、修繕計画を見たうえで、大幅に不足する恐れのあるマンションは検討から外しましょう。
◆管理費と修繕積立金をチェックしましょう
マンションを購入する際は、「管理費」と「修繕積立金」の内訳がそれぞれいくらになっているのか確認することが大切です。
「管理費」が高すぎる場合は、無駄なお金をずっと払い続けることになるかもしれませんし、逆に安すぎる場合は管理の質が悪かったり、組合員(区分所有者)が管理に興味がなく、管理会社に丸投げ状態ということも考えられます。
「修繕積立金」は将来、資金が不足して大幅に引き上げられたりする危険があります。
所有者の意識が低いと、自分にはあまり関係ないと人任せですので、積極的に住民の反対を押し切っても価格の改定しようと主体的に動く人も少ないです。
まれに見るのが管理組合が積立金が不足しており、金融機関に借入までおこしているケースもありますので、注意が必要です。
修繕積立金の改定を何とかだましだまし先伸ばしにしてきたマンションでは、いよいよ足りなくて困る頃に、急激に修繕積立金を上げ、月々のランニングコストが急にあがり、売却の時にも資産価値に影響します。
たとえば・・
①月々3万円のランニングコストの物件
②月々4万5千円のランニングコストの物件
売買価格が一緒ならば、①の物件と②の物件、あなたはどちらが購入する上で抵抗がありますか?
当然②になりますよね。
②の物件はあまりにもランニングがかかるので、売却となった場合でも価格を下げざるを得ない状況に陥りやすいです。
◆修繕積立金は毎年同じ金額ではない
長期修繕計画に基づいて金額が設定されているかどうかのチェックが必要です。
不動産仲介業者に頼めば、資料を取り寄せてくれますので、検討してみようかなぁという段階では遠慮なく担当者に依頼してください。
※分譲当初の設定が低すぎることが多い。
※段階的に引き上げる予定のケースも増えている
得てして新築マンションの場合は、売りやすいように修繕積立金は抑え気味に設定されているため、分譲時に設定された金額で将来修繕費を賄えるマンションはほとんどありません。
平成23年4月に国土交通省から「マンション修繕積立金に関するガイドライン」が発表され、そのガイドラインを策定した理由についてこう述べています。
「一般に、マンションの分譲段階では、分譲事業者が、長期修繕計画と修繕積立金の額をマンション購入者に提示していますが、マンション購入者は修繕積立金等に関しても必ずしも十分な知識を有しているとは限らず、修繕積立金の当初月額が著しく低く設定される等の例も見られます。その結果、必要な修繕積立金が十分に積み立てられず、修繕工事が不足するといった問題が生じているとの指摘もあります。」
→マンションを購入する場合は、築年数や総戸数にもよりますが、今のランニングコストだけで資金計画をされるのではなく、修繕積立金は、必ず上がるものだ、2倍ぐらいになるという認識はもたれた方が良いでしょう。
以前に国土交通省が「修繕積立金」の目安を発表しました。
『積立金の目安は、実態の約2倍程度にあたる月200円/㎡前後であった。』(2011年4月19日の日経新聞の記事による)とあります。
20階以上の高いマンションや総戸数(建築延床面積)によっても多少差がありますが、平均値ですと月178円~218円/㎡が目安となります。
より詳細に知りたい方は、こちらをご参照ください。
70㎡の専有面積のマンションの場合は、目安は14,000円ぐらいのように概略金額を算出することができます。
◆修繕積立金の具体例
国土交通省の目安を踏まえ、シミュレーションしてみましょう。
70㎡のマンションを購入するとした場合の相場は月額200円/㎡。
70㎡×200円=月額14,000円
12年間で大規模修繕をすると仮定すると、2,016,000円が必要になります。
しかし、実際の徴収額が月額5,000円の積立金だった場合、12年間で720,000円。
分譲時の修繕積立基金が仮に250,000円だとして、それを充当したとして1,046,000円の不足になります。
修繕積立金は極端に安い(例えば、ファミリーマンションなのに月額5000円未満等)場合は、「安くてラッキー」の物件ではなくて、「危険な物件」と捉え、修繕計画を見たうえで、大幅に不足する恐れのあるマンションは検討から外しても良い場合もあります。
マンション購入は、そのあたりも踏まえて、検討しましょう。