物件情報を見ると、構造の欄に「木造」や「RC構造」などと書かれています。
しかし、その違いをハッキリとご存知ですか?
これから部屋探しをする人に知っておくと役立つ、建物構造の種類と特徴についてお伝えします。
◆RC造建物の特徴
RC造とは、鉄筋コンクリート造の建物のことです。
柱や梁などの骨組みが鉄筋で組まれ、そこにコンクリートを組み合わせて床や壁が造られています。
鉄筋とコンクリートはそれぞれ材質として持っている特徴が異なるため、それを組み合わせることによって材質の長所と短所を補い合い、建物としての耐久性を高めています。
物件情報を見ていると、RC造の物件は「ピアノ可」や、築年数が浅めのデザイナーズマンションであることが多いです。
それは、RC造が非常に防音性に優れていて、耐火性や断熱性もあるためです。
そのため、楽器を演奏したいという人や子供の居る人は、RC造を選ぶと周囲との騒音問題の予防にもなり、地震など災害への備えにもなります。
反面、RC造は気密性が良すぎるために湿気が溜まりやすいという側面もあります。
梅雨時期や冬の結露には注意が必要です。
◆SRC造建物の特徴
SRC造は鉄骨鉄筋コンクリート造建物のことで、RC造建物よりもさらに頑丈で防音性も優れています。
一般的には高層ビルやオフィスに用いられる建物構造です。
耐震性や耐火性を含めた耐久性全般に最も優れているため、災害時にも安心できるということ、高い気密性のために日常使う冷暖房の効き目が良いということなどのメリットがあります。
しかし、RC造よりもさらに部屋に湿気が溜まりやすく、また建築費に多くの費用がかかっているため、SRC造の建物を賃貸で借りようとすると、だいぶ高めの家賃となります。
お金に余裕のある人向けの建物です。
◆S造建物の特徴
S造は鉄骨建物のことです。
RC造やSRC造のようにコンクリートは使われておらず、鉄骨を組んだだけの建物です。
鉄骨の間を埋める壁の素材は通常の断熱材などですので、防音性はあまり期待できません。
しかし、骨組みは鉄骨ですのである程度の耐久性はあり、かつ、コンクリートが使われていない分、通気性もあります。
家賃もRC造やSRC造より安いので、隣からの音漏れをそれ程気にしないという人であれば、家賃と耐久性、通気性などのバランスが取れている建物と言えます。
◆W造建物の特徴
W造は木造建物のことです。
昔から日本で馴染みの深い建物です。
上で紹介したようなRC造やSRC造は、頑丈な一方で湿気が溜まりやすいという側面がありましたが、W造は日本のジメジメとした気候に合っており、また、建築費が安いということから、アパートでは最も多い構造となっています。
しかし気になるのは、やはり地震や火事などの災害です。
住宅密集地では特に、日頃からの注意や準備が他の構造の建物と比べても大切になってきます。
防音性も低いですが、そうしたデメリットがある分、家賃はW造というだけでかなり安くなりますので、とにかく家賃を抑えたいという方にはお勧めです。
◆建物構造の特徴を知ると部屋探しも変わる
部屋探しをする際は、駅までの距離や家賃ばかりを気にしがちですが、上で述べたように構造によって建物自体の特徴が大きく異なります。
探す際には後々の騒音トラブルや後悔などを防ぐためにも、是非、自分の普段の趣味や生活スタイル、音に対する敏感さなどももう一度見直して、自分が一番重視することにピッタリの部屋を探してみましょう。