東京都台東区には、書道博物館という施設があります。
中村不折(なかむらふせつ)という洋画家や書家として活躍した人物の、コレクションを展示している博物館です。
今回は、この書道博物館についてご紹介していきます。
◆中村不折とは・・
中村不折は写実主義の洋画を極めた画家であり、後進の育成にも貢献した明治・大正・昭和における重要人物です。
書道家としては、明治28年に中国に赴いたのを契機に、活動を始めました。
書道博物館は、この中村不折が半生40年あまりに渡って収集した、中国や日本における書道史研究において重要な資料が集められています。
◆貴重な資料を見ることが出来ます
書道博物館は、昭和11年11月に開館しました。
この時、博物館を建設するための費用はすべて中村不折の創作した絵画や書作品の潤筆料から捻出されました。
書道博物館には殷時代の甲骨から始まり、青銅器や玉器、鏡鑑など、貴重な文化財や資料があります。
中には重要文化財12点や、重要美術品5点も含まれています。
甲骨文は現存する最古の漢字とされています。
そういった漢字や書道の歴史を知るうえで、貴重な資料を書道博物館では実際に目にすることができるのです。
金石学に関係する文字が刻まれたり書きこまれたりした収蔵品が常設展示されています。
中国や日本の文化圏における文字の歴史をたどるうえで、重要な資料を目にすることができます。
金石文とは、金属や石(金石)に記された文字になります。
墨汁で紙に書く書道に至る前の文章の残し方であり、現在の書道の原点である資料を多く見ることができる点が書道博物館の特徴です。
◆書道博物館の概要
書道博物館は開館当初から約60年のあいだ、中村不折および中村家によって維持がされてきましたが、平成7年12月に、台東区に寄贈されました。
その後、平成12年4月に台東区立書道博物館として再開館しました。
台東区立の博物館となった後は、中村不折記念館が併設されました。
中村不折記念館では、中村不折の作品や関連資料の展示がされています。
また、記念館内では、年4回の企画展・特別展にて、テーマに基づいて経巻文書・碑拓法帖・文人文書などを紹介しています。
書道博物館の入館料は、一般500円・小中高校生250円です。
団体だと一般300円・小中高校生150円となります。
開館時間は午前9時半から午後4時半です。
入館は4時までとなります。
年間パスポートも発行されております。
博物館の写真やフロア図、年間の展示予定をホームページにて確認することができます。
過去の展示内容についても見ることができます。
また、博物館ではミュージアムグッズも販売されています。
博物館内のほか、通信販売での購入も可能です。
書道博物館は、フロアは2階あり、展示室は第一展示室から第五展示室まであります。
中村不折記念館もまた、フロアは2階あります。
第一展示フロアー・第二展示フロアー、記念室、特別記念室などがあります。
自分たちが何気なく使っている文字がどういった歴史をたどって今あるのか、知りたい人にとって、台東区立書道博物館は興味深い場所になるでしょう。
【施設情報】
店名:台東区立書道博物館
住所:台東区根岸2丁目10-4
アクセス:JR鶯谷駅北口改札から徒歩4分・東京メトロ日比谷線入谷駅2番出口から徒歩11分
TEL: 03-3872-2645
営業時間: 9:30~16:30
定休日: 月曜日