賃貸契約を交わすときに、敷金や保証金という名目の料金があり、入居するときに家賃の1~2ヶ月分前後のお金を納めて契約するケースが多いですよね。
敷金・保証金についてどう考えたらいいのかお話しましょう。
■敷金と保証金の必要性について
賃貸住宅では、部屋の使い方によって物件の価値を下げてしまうことがあります。
・ヘビースモーカーの人が住んでいたお陰で、クロスの張替えが必要になる。
・洗濯機周りの清掃が悪く、カビ・床の腐食が起こって張替えが必要になる。
・エアコンの手入れが悪く、水漏れで壁が腐食し、修繕が必要になる。
・家具を移動しようとして壁にぶつけて穴を開けてしまい修繕が必要になる。
あらかじめお金を敷金や保証金として預かっておき、住人の不注意で修繕が必要になった場合にはそのお金で修繕するという使い方をします。
敷金や保証金を預けておくことで、『契約を守って、大事に部屋を使いますよ』という約束を確実にするものです。
こうした預り金を設定することで、家賃滞納や契約違反を防ぐ意味合いを含んでいます。
■敷金と保証金の違いは?
契約の中身によって正確な意味は変わってきますが、賃貸住宅では敷金、テナントや事業所物件で保証金と言われることが多いようです。
また、関西圏では、預かった保証金からあらかじめ見込んだ修繕費を差し引く契約を『敷引○ヶ月分』という言い方をされる場合があります。
実質的な修繕費用の請求ではなく、返還しない額が初期契約で決まっている形です。
敷金や保証金は、預かり金という性質は変わりませんが、契約によっては返還される内容が変わり、注意が必要なのです。
地方によって敷金や保証金の設定が変わることもありますから、『敷引』のように初めから返還されない金額が決まっているのか、修繕やクリーニングの負担はどのように決められているのか、契約書をしっかり読んで仲介業者に確認しておくことをオススメします。
■敷金・保証金のない物件はオトクなの?
初期費用に2ヶ月分の敷金支払いがあれば、家賃7万円の物件で14万円…。
初めて一人暮らしをする場合には安くない金額ですね。
しかし、敷金や保証金無しで利用できる物件は、家賃に償却費を上乗せされて家賃が割高に感じられたり、退去のときに実費を請求されてトラブルになったり、とデメリットも持っています。
できるだけ安く借りられたら助かりますが、“契約”と言うものは信頼関係が大事になります。
大事な大家さんの財産を拝借すると考えると、敷金や保証金をしっかり預けて、実費以外を返還してもらうという契約は、お互いの安心感が増すのではないでしょうか。