山手線各駅の乗降客数1位は新宿駅。
反対に、最も乗降客数の少ない駅なのが鶯谷です。
駅周辺に寺院や墓地が多くあり、オフィスワーカーもあまりいないことが一因ですが、よくよく駅舎を見てみると、『散策の街 鶯谷』の文字が……。
とはいえ、近隣の谷根千も日暮里も散歩者で溢れているのだから、鶯谷が散策の街でもおかしくないはず。
そこで今回は鶯谷、根岸を散策してみましょう。
○文化的な建物が並ぶ北口エリア
駅の北口を出て数分歩くと、視界に広がる昔ながらの街並。
界隈には文化的な建物がならんでいます。
重要文化財や重要美術品も収蔵され、書家・洋画家だった中村不折収集のコレクションを有する中村不折記念館も併設されています。
残念ながら写真撮影はできませんが、500円で子規の生活していた空間を味わえます。
毎月第3土曜日には落語会も開催されています。
○正岡子規と縁の深い「笹乃雪」
創業320余年の老舗は、子規の句にもたびたび登場しており、その内容からは、豆富を特別な料理だと考えていた子規の思いが読み取れます。
お店の外には、実際に子規が詠んだ句が句碑となって立てられていますので、お店を訪れる機会にチェックしてみることをオススメします。
○ゆかりの文豪に愛された団子
散歩に疲れたら、甘いものを食べてひと休みしましょう。
あまりに団子がきめ細かく、羽二重のようだったことから名づけられた団子は、生醤油の焼き団子とさらし餡の餡団子の2種類。
コシのある昔ながらの団子を抹茶とともにいただけば、さながら文豪気分。
店内には戊辰戦争で使用された武器や正岡子規にまつわる物品が展示されたスペースもあり、貴重な資料も楽しめます。
穏やかに流れる時間を彩る日本庭園を眺めながら、歴史と文化に思いを馳せる――。
上品な散策ができる街こそ鶯谷なのです。