荒川区に暮らすことを検討している方のなかには、荒川区にはどのような名所があるかを知っておきたいと考えている方もいることでしょう。
ここでは、荒川区で古くから親しまれてきた素盞雄神社(すさのおじんじゃ)について、その特徴や歴史をお伝えします。
お祭りも行われる素盞雄神社の魅力を知り、荒川区での住まい探しを前向きに検討するきっかけになれば幸いです。
◆素盞雄神社の基本情報
素盞雄神社は、荒川区南千住にあり、町屋地区・南千住地区・三河島地区の61カ町に渡って氏子がいる神社です。
地元の人々からは、お天王様(おてんのうさま)の愛称で親しまれてきました。
公共交通機関を利用する場合、東京メトロ日比谷線・JR常磐線・つくばエクスプレス「南千住駅」から徒歩約8分、京成線「千住大橋駅」から徒歩約8分の距離にあります。
電話で問い合わせをする場合、8時半~18時の間に03-3891-8281に連絡をしてください。
素盞雄神社の歴史は古く、延暦14年(795年)4月8日、黒珍が御神託を受けて創建したと伝えられています。
黒珍は、修験道の開祖役小角の高弟にあたる人物です。
境内にある瑞光石(ずいこうせき)は、創建の源になった霊石とされています。
素盞雄神社の御祭神は、素盞雄大神(すさのおおおかみ) と飛鳥大神(あすかおおかみ)です。
境内には、福徳稲荷神社、菅原神社、稲荷神社の末社があります。
毎年2月の二の午の日には稲荷祭が行われ、荒川の冬の風物詩のひとつにもなっています。
◆素盞雄神社と松尾芭蕉
素盞雄神社は、俳人・松尾芭蕉の奥の細道の旅の出発地として知られている神社です。
境内には、奥の細道矢立初めの句碑が建てられています。
矢立とは、江戸時代の人々が使っていた携帯用の文房具のことであり、矢立初めは旅立ちに際して旅行記を書き始める行為を指します。
句碑が建てられたのは、文政3年10月12日(1820年11月17日)のことであり、現在の句碑は平成7年「素盞雄神社御鎮座1200年祭」の際に復元されたものです。
句碑には、「行く春や鳥啼き魚の目は泪」という芭蕉が旅立ちに際して詠んだ句が刻まれていて、奥州への長い旅に向かった芭蕉に思いを馳せることができます。
句碑の近くには、小さなサイズの千住大橋が掛かっていて、風情あふれる景色が広がっています。
さらに、子ども俳句教室の句が献句されていて、子どもたちにとって俳句に親しめる場ともなっているのも特徴です。
なお、素盞雄神社の緑豊かな境内は、飛鳥の杜とも称されています。
芭蕉がこの場所を出発地に選んだことには、素盞雄神社が江戸の文人墨客たちの間で文化交流のサロンとして親しまれてきた場所であったことと関連しています。
矢立初めの句があることから、荒川区は平成27年3月14日に「荒川区俳句のまち宣言」を出しました。
俳句に親しめる文化の香り豊かなまちづくりが進められています。
◆素盞雄神社の見どころ
広大な敷地を持つ素盞雄神社の境内は、四季折々の自然に触れられるスポットとして荒川区民に愛されてきました。
矢立初めの句碑の近くにある大銀杏は、秋になると綺麗な黄金色に色づきます。
かつて、母乳が出ないことに悩んでいた女性がその樹皮を煎じて飲んで、米の研ぎ汁を撒いて子どもの無事成長を祈願したと伝えられることから、子育ての銀杏とも呼ばれています。
また、句碑のそばには、繊細な美しさを持つ梅の木もあります。
季節ごとに様々な表情を見せてくれる自然を感じて、ゆったり散策できるスポットが身近にあるということは、荒川区の住み心地の良さにもつながっている点です。
素盞雄神社で、毎年6月に斎行されるのが、疫病除けの天王祭です。
3年に一度の御神幸祭は、本まつりとも称され、ダイナミックな3基の御本社神輿の渡御が行われます。
なお、本まつりが開催されない年には、 氏子まつりが開催されます。
神事が行われるだけでなく、境内や参道を埋め尽くすほどの沢山の露店が並び、荒川区民に夏を告げる風物詩として親しまれてきました。
また、天王祭の時期に境内に設けられる大きな茅の輪と呼ばれる輪をくぐると、無病息災で一年間を過ごせるとされています。
歴史を感じさせるお祭りを楽しめる環境にあり、ファミリー層にとっても暮らしやすい環境であるところは、荒川区の大きな魅力です。
◆荒川区の素盞雄神社は歴史や文化、自然を感じて過ごせるおすすめ散策スポット
荒川区にある素盞雄神社は、かつて芭蕉が奥の細道の旅に出た出発地として有名です。
境内には芭蕉の句碑が建てられていて、俳句に対して親しみを感じることができます。
自然豊かな場所であるところも、素盞雄神社の魅力です。
大銀杏や梅を眺めながら散策をして、リフレッシュしたひとときを持てるスポットとして、荒川区民から愛されています。
6月に行われる賑やかな天王祭を楽しみにしている荒川区民も多いです。
【神社・お寺情報】
名称:素盞雄神社(すさのおじんじゃ)
所在地:東京都荒川区南千住6丁目60-1
アクセス:東京メトロ日比谷線・JR常磐線・つくばエクスプレス「南千住駅」より徒歩8分、京成線「千住大橋駅」より徒歩8分、都電荒川線「三ノ輪橋」より徒歩10分
1940年創業、荒川区・台東区で地域密着