土地や戸建を探している際に、「旗竿地」という特殊な形状の土地を目にすることもあるかと思います。
特に都市部などの住宅が密集しやすいエリアでは多く見かけます。
今回は旗竿地のメリット・デメリットとあわせて購入時の注意点を紹介します。
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旗竿地とは、細い路地を通った先にある奥まった土地のことです。旗を竿につけたような形状をしていることから「旗竿地」と呼ばれてます。(そのままやん笑)
長方形や正方形などのように形が整っている土地のことを整形地といいますが、旗竿地は不整形地と呼ばれる土地に分類されます。
旗竿地ができる理由としては、相続などの諸事情により持ち主が手放した広めの土地を、売れやすい価格や広さに分割して販売されるケースが多いためで、敷地の利用価値が高い都市部で多く見られます。
また、旗竿地は建築基準法の接道義務が関わってきます。接道義務とは、建物を建てる土地は、幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならないとする決まりのことです。旗竿地は、この接道義務を満たすために、宅地部分から道路の方へ路地状の敷地を伸ばしているため、「敷地延長」や「路地状敷地」と呼ばれることもあります。なお、現在の建築基準法が制定される昭和25年(1950年)以前に建てられた旗竿地では、路地部分の幅が2メートル未満の場合も多くあります(以前は1.8m以上あれば建物を建てられたものの、法律改正で2mに変更されました)。接道義務を満たしていない建物は、取り壊す必要はありませんが、その家を撤去した場合には、新たに家を建てることができません。このような再建築不可の土地を活用するには、今ある建物を増築に該当しない範囲内でリフォームするか、隣の土地を購入して間口を広げるといった工夫が必要になります。
①価格がエリアの相場より安い
旗竿地は、不整形地であるため整形地よりも坪単価が安く設定されます。土地価格は、総面積や立地などの条件が似ている整形地の7~8割程度となることもあります。そのため、地価が高く人気のエリアでも旗竿地であれば比較的購入しやすくなります。土地をリーズナブルに入手できる分、建物に予算を回すことができるのもメリットの一つです。さらに、道路から見える部分が少ないため、割り切ってしまえば、外装材や外構のデザインにかけるコストを抑えることもできます。
旗竿地は、整形地と比べて固定資産税や相続税などの評価額も低めとなります。旗竿地を選ぶことで土地の購入費はもちろん維持費の節約にも役立つため、土地を長く所有し続けたい場合にもおすすめです。
②道路から離れているため静かな環境で暮らせる
旗竿地の旗部分に住宅を建てることで、道路からの騒音や通行人の目線が届きにくくなります。そのため、プライバシーの保たれた静かな環境での生活を実現しやすくなるでしょう。間口部分や土地の境界部分などの防犯対策をしっかり行えば、セキュリティ面でも安心です。
また、子どもやペットのために安全な遊び場を設けたい場合にも旗竿地が適しています。旗竿地は間口の接道部分が少なく、庭で遊んでいるときなどに誤って道路へ飛び出すリスクが低いため、より安心に暮らせるという事にもつながります。
③路地部分を活かしてプランニングできる
整形地に住宅と駐車スペースを設ける場合、駐車スペースを確保するため住宅を不規則な形状にせざるを得ないケースが多々あります。一方、旗竿地では路地部分を駐車スペースにして奥の旗部分に大きな家を建てることが可能です。家族の好みやライフスタイルによっては、路地部分におしゃれなアプローチや花壇などを設けて演出することも可能です。
①日当たり・風通しの確保に工夫が必要
旗竿地は住宅密集地の中にあることが多く、周囲の家に囲まれているため日当たりや風通しが悪くなります。
これらのデメリットをカバーしたい場合は、天井をなるべく高くして大きな開口部や吹き抜け・高窓などを設け、中庭に対して大きな窓をつくれば光を取り込むことができます。特に隣家との距離が近い場合、プライバシーの確保や防音対策としても有効な手段となります。また、土地の形状や規制にもよりますが、リビングなどを2階以上に設け、天井の高いダイナミックな空間にすることも設計次第では可能です。
日当たりや風通しは、土地の状況や周辺環境によって変わってきますので、購入する前に必ず現地へ足を運び、実際の状態を確認しましょう。
②建築コスト・インフラ整備コストがかかりやすい
旗竿地の間口部分や路地部分が狭いと、工事車両の乗り入れなどが難しくなります。その結果、職人さんの作業が増え建築コストが余分にかかったり工期が長くなったりすることも少なくありません。また、旗竿地に新しく水道・電気・ガスなどのインフラ設備を通す場合も注意が必要です。旗竿地ではこれらのインフラの引き込み距離が長くなることが多く、インフラ整備工事にコストや時間がかかりやすくなります。
③駐車スペースの確保が難しい場合もある
旗竿地に家を建てるときには、竿にあたる敷地延長部分の通路をどのように使うかがポイントとなります。庭や子どもの遊びスペースとして活用することも考えられますが、多くの場合は車のガレージとして利用することが一般的です。しかし、普通車でも幅が約1.8mありますので、駐車はできても乗り降りが難しいケースもあります。そのため、旗竿地の土地を購入する際は、間口の幅と長さは必ず確認しましょう。
まとめ
旗竿地は、日当たりや風通しに工夫が必要となるデメリットがある反面、整形地よりも価格が安く、静かで落ち着いた生活環境で暮らせる点がメリットです。
住みたいエリアが決まっていて、そのエリアの土地価格がご自身の予算に対して高めの場合、坪単価の安い旗竿地はお買い得な土地といえるでしょう。
旗竿地の戸建てや土地を購入する際は、間口の幅や長さをチェックし、どのように路地部分を活用するかなど、実際に生活するときのイメージをしておくことが大切です。
城北商事不動産部では、台東区・荒川区での不動産売買をサポートしておりますので、旗竿地を含め、ご不明な点がございましたらお気軽にご相談ください。
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