一軒家の購入を考えたときに新築にするか中古にするかという選択肢でお悩みの方もいると思います。
「やっぱり建物は綺麗な方がいいから新築がいい」という声も聞きますし、最近では「新築物件は値段が高いから中古住宅を探そうと考えています」といった声も良く耳にするようになりました。
もちろん値段の面から考えると、中古住宅の方が安く感じられますが、そこには新築と中古で税制や補償内容も違ったりしますので、その内容を事前に把握していただく事をオススメします。
まず中古住宅と新築住宅を検討する際に税制の違いを見ていきましょう。
①優遇制度
新築住宅の場合、家屋に対する固定資産税が3~5年半分に軽減される優遇制度がありますが、中古物件にこの優遇は原則ありません。
このように言うと、中古住宅を購入すると優遇が無くて損しているように感じてしまうかもしれませんが、そもそも中古住宅の固定資産税は、築年数が古くなると減価されるといった特徴があります。
そのため、新築で購入するよりも、中古住宅の方がそもそもの固定資産税が低くなっているケースが多いので、損しているとは一概には言えませんので、ご注意いただければ幸いです。
②消費税
消費税については新築住宅、中古住宅に限らず土地部分は非課税ですが、建物(家屋)部分については、課税される場合と非課税の場合が存在します。
新築は10%課税されるのに対して中古は、売り主が不動産会社か個人の供給かによって、課税・非課税が分かれます。
ちなみに、不動産会社から買うと消費税がかかりますが、売り主が個人なら非課税となります。
そのため、消費税に限ってみれば中古住宅を個人から買う方がお得と言えるかもしれません。
少し注意が必要なのが、住宅ローン減税まで考慮するとケースによっては、事業者から購入する不動産でも、あまり変わらなくなるケースもございます。
その理由として、住宅ローン減税は昨年10月の消費増税対策として拡充され、残高の1%などを税額控除できる期間が本来の10年間から13年間に延びました。
この拡充策は新築や、不動産会社を売り主とする中古には適用されますが、中古を個人から買った場合は対象外となります。
仮に、下記の例をご覧いただきますと、その違いを把握しやすくなると思います。
【具体例】
①土地1000万円、建物1500万円の新築住宅(事業者から)を購入した場合
1000万円+1500万円+150万円(消費税)=2650万円、住宅ローン減税(13年間で年収にもよりますが、約260万円)
②土地1000万円、建物1500万円の中古住宅(個人から)を購入した場合
1000万円+1500万円=2500万円、住宅ローン減税(10年間で年収にもよりますが、約210万円)
このように消費税がかかる分①の方が購入価格は高くなりますが、住宅ローン減税は①の方が多く取れますので、トータルでとんとんの計算になります。
◆【中古住宅 VS 新築住宅】保証内容(責任)の違いは?
中古住宅と新築住宅の大きな違いは個人的には保証の違い(責任の違い)があるかと思います。
新築住宅の場合、「構造上主要な部分」や「雨漏りを防ぐ部分」に重大な欠陥があると法律上、10年は売り主が修理する責任を負います(瑕疵担保責任が存在する)。
不動産会社から買った中古の場合も最低2年は売り主の責任を追及できますので、何か問題があった場合には、責任追及ができると言えます。
しかし、個人から買うとその保証範囲は、住宅購入者である個人の自己責任での対応が求められます。
そのため、自己責任で判断するには迷われる方が多い為、可能な範囲で、建物の見極めが出来るプロの方に購入前のインスペクション(建物状況調査)を実施していただく事をおススメ致します。
もちろん、その調査結果によっては、改修が必要なものや、既存住宅売買瑕疵保険という制度を利用する方の場合、事前に補修等が求められる場合もございます。
個人的には購入後に、雨漏れ等が起こり自分で改修費を捻出しなければならない場合は、必ず「事前にインスペクション(建物状況調査)を行っておけば良かった」と後悔されると思います。
そのようにならないためにも、中古住宅と新築住宅の違いを把握して、住宅購入をご検討いただければ幸いです。
また、個人的には不動産の立地にもよりますが、中古住宅の方が、駅近・利便の良い場所にあるケースが多いです。そのような不動産の方が、資産価値の高い不動産であったりします。
今後の住宅購入の参考にお役立ていただければ幸いです。
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1940年創業、台東区・荒川区で地域愛着