是枝裕和監督が描く『万引き家族』は、犯罪である万引きを通して繋がっていく一家族の物語です。
カンヌ映画祭でパルム・ドールを獲得したことでも知られ、人間の生き方を問いかける作品として日本全国でブームとなりました。
万引き家族では、ロケ地の多くに東京の下町が使われており、その一つに「三ノ輪」があります。
今回は三ノ輪の街について、どんな街なのか、何があるのか、詳しく掘り下げていきます。
◆都心に近く、利便性はトップクラス
三ノ輪は、学生が下宿をする街というよりは、家族連れが少しだけ都心を離れ寛ぐのに適した街という雰囲気があります。
都電荒川線の終点となる三ノ輪橋駅とともに、港区や中央区、千代田区と東京の中心を走り抜ける東京メトロ日比谷線沿線沿いの三ノ輪駅に位置しており、同線上野駅からたったの2駅というアクセスの良さが魅力です。
駅出口を出ると、明治通りと日光街道の巨大な幹線道路の交差点に面しており、大変賑わいのあるエリアと言えます。
なんといっても生活利便性においてはトップクラスで、駅の西側には、イトーヨーカドーやオリンピックなど、大型スーパーやコンビニがあちこちにあるため、買い物で不便に感じることは無いでしょう。
そのようなスーパーの間を縫うようにして個人経営の商店が集まっており、駅から100mほど歩くと、万引き家族のロケ地として使われたアーケード状の商店街も見られ、あたたかく活気のある街並みになっています。
◆昭和を感じさせるノスタルジックな街並み
三ノ輪エリアに共通して古い建物が残っているのは、過去の大震災や戦争でも大きな被害を受けずに昭和の昔ながらの街がそのまま現存しているためです。
先述の商店街は懐かしい下町情緒を感じられるとしてテレビでも取り上げられています。
下町風の住み心地が好きな方にとっては魅力的な街でしょう。
また、賑わいのある三ノ輪駅周辺の大通りから路地に入っていくと、閑静な住宅街が広がります。
近隣の日暮里や上野のような喧騒とは全く違う落ち着いた環境で、古めのマンションや一戸建てが多いせいか、家賃も日比谷線の中では2番目に安いと言われています。
都心のように高層ビルや24時間煌々と明かりがついているようなお店も少なく、東京都内であるにも関わらず綺麗な星空を見ることができます。
◆下町情緒を感じられるのに便利な街、三ノ輪
三ノ輪は、震災や戦争の影響を受けずに昭和の街並みがそのまま残っているノスタルジックな街ではありますが、駅周辺は幹線道路の交差点沿いに面し、近くには大型スーパーやホームセンターなどがあり、駅から都心まで簡単に出ることができる、「便利さ」と「下町の懐かしさ」をどちらも兼ね備えている街です。
下町情緒を感じつつ、不便な生活はしたくない方にはうってつけの街でしょう。
【映画情報】
作品名:万引き家族