谷中霊園は東京都台東区谷中にある都立霊園です。
JR山手線及び京成本線日暮里駅から徒歩6分の所に位置するこの霊園は、約7,000基の墓がある都内最大級の霊園として知られています。
それ以外にも、多くの歴史的偉人の墓がある場所や、東京都内有数の桜の名所としても知られています。
この記事では、そんな谷中霊園の魅力を紹介します。
◆谷中霊園の概略
谷中霊園は、江戸時代までは感応寺(現在の天王寺)の一部でした。
しかし、明治維新後、公共の墓地の整備の必要に迫られていた明治政府は天王寺の一部を没収し、1874年に東京府(現在の東京都)管轄として開設しました。
なお、谷中霊園という名称は、1935年の改称に伴い、名付けられています。
「谷中墓地」と呼ばれる墓域は、谷中霊園の他に天王寺や寛永寺の墓地が入り組んで形成されています。
また、園内には幸田露伴の小説『五重塔』で知られる五重塔跡があります。
◆多くの著名人が埋葬されている場所
谷中霊園は多くの歴史的偉人や著名人の墓石がある場所として知られています。
その代表的な人物が、江戸幕府15代将軍の徳川慶喜です。
徳川慶喜は、死の際に神道式埋葬と埋没を希望しました。
このため、徳川慶喜の墓地は、谷中霊園内に埋葬されています。
なお、徳川慶喜以外の将軍は、寛永寺墓地に埋葬されています。
他にも、鳩山一郎元首相や画家の横山大観、日本資本主義の父と呼ばれた渋沢栄一などが、谷中霊園で眠っています。
◆都内でも有数の桜の名所
天王寺の山門から南に向かう「中央園路」は、都内有数の桜の名所としても有名です。
通称「桜通り」とも呼ばれているこの園路は、花見のシーズンには桜のトンネルに見えるほど、多くの桜が咲いています。
この桜のトンネルを見るために、花見のシーズンになると、多くの人がこの地を訪れます。
また、谷中霊園には、ソメイヨシノ以外のちょっと変わった桜の木があります。
それは鬱金桜(うこんさくら)です。
鬱金桜は天王寺から20~30メートルほどの所に1本だけ植えられています。
ソメイヨシノより2週間ほど遅い時期に開花し、黄緑色の花を咲かせます。
このように、谷中霊園はソメイヨシノと鬱金桜の2種類の桜を楽しむことができる場所です。
◆歴史を感じながら桜を楽しむことができる場所
谷中霊園には、多くの歴史的偉人が眠っています。
この地を訪れた人たちは、偉人達の墓に出会う度に彼らの生きた時代に思いを馳せながら、時代の流れを感じることができます。
また、花見のシーズンには、ソメイヨシノが咲き誇る桜のトンネルが、そして鬱金桜の花が訪れた人の心を癒してくれます。
このように、谷中霊園は歴史と桜を楽しむことができる場所です。
【スポット情報】
スポット名:谷中霊園
所在地:台東区谷中7丁目5−24
アクセス:JR山手線日暮里駅南口改札から徒歩6分
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