大河ドラマでも注目された西郷隆盛。
鹿児島のイメージが強いですが、東京の人には上野の西郷隆盛像も馴染み深いと思います。
今回はその西郷隆盛について紐解いてみましょう。
歴史が苦手な方でも、意外とへぇーと思うようなことや、面白いエピソードがあるものです。
豆知識を手に入れて、東京の観光名所ともなっている西郷隆盛像をぜひ見に行ってみましょう。
◆上野の西郷隆盛像とは
西郷隆盛像は彫刻家の高村光雲、そして傍らの犬は後藤貞行の手によって製作されました。
宮内庁からの500円の下賜金の他、全国から集まった約25,000人の有志の寄付金によって建てられました。
このことからも、西郷隆盛は多くの人から愛され、大きな存在だったことがわかります。
完成は西郷隆盛の没後21年経った1898年でした。
上野公園に建てられた西郷隆盛像は身長370.1cmととても大きいものです。
そしてこれを正面から撮影している写真をよく見かけますが、アンバランスなほど、頭が大きく見えます。
実はこれ、本当にここまで大きかったわけではなく、下から見上げて見た時にちょうどよいバランスになるように設計されたそうです。
◆本当はこんな顔ではなかった?
実は西郷隆盛像の除幕式の時に、妻である糸が「うちの人はこんな人じゃなかった」と取り乱して言ったというエピソードが語られています。
それが回りまわって西郷隆盛はこんな顔ではなかったという説もありますが、実はこれ、違うのです。
西郷隆盛は人前に出る際はきちっとした格好をしており、浴衣姿のラフな格好で外に出るような人ではない、という意味合いだったとのことです。
上野という人の集まる場所ではなおさらそういう思いが強かったのでしょう。
当時は、まだ西郷隆盛に対する反感を抱く者も多くいた為、明治政府の官位による正装をさせるわけにはいかないという政治的背景があったようです。
他の銅像はきっちりと正装をしているので、妻としては当然凛々しい姿を想像していたのでしょう。
逆にこのラフな姿が人々に庶民のイメージを与え、西郷隆盛を親しみやすい存在にしたのでしょう。
ちなみに軍服を着た西郷隆盛像は、故郷である鹿児島県に建てられています。
◆上野の西郷隆盛像まで足をのばそう!
昔も今もたくさんの人から愛されている西郷隆盛。
背景を知った上で銅像を見ると、また違って見えてくるので面白いですよね。
西郷隆盛にまつわる歴史的背景はとても複雑ですが、どの場面にも西郷本人の温かい人柄が溢れており掘り下げていくのもお勧めです。
そして上野公園の西郷隆盛像までぜひ足をのばしてみて下さい。
これをきっかけに歴史好きになるかもしれませんね。
【スポット情報】
スポット名:西郷隆盛像
所在地:台東区上野公園内
アクセス:JR山手線上野駅西郷口改札から徒歩1分
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