先ず、鶯谷という名前は行政上は存在しません。
現在の鶯谷駅の住所は台東区根岸で、鶯谷は通称に過ぎないのです。
なお、鶯谷駅は、JR東日本の駅で、山手線と京浜東北線の2路線が乗り入れています。
日暮里駅と上野駅の間になり、上野駅までは徒歩5分の距離となっています。
今回は、そんな鶯谷駅がどんな所なのかご紹介していきます。
◆周りは住みやすい住宅街
また、鶯谷と言えば山手線で最も利用者が少ない駅として有名です。
一方で、関東大震災や東京大空襲の被害が比較的少なかったことから、袋小路や昔ながらの曲がりくねった道が残る風情のある街並みがあり、古くから文人墨客に愛された街としても有名です。
その反面、山手線から見えるホテル群により、近づきにくいイメージを持っている人も多いことでしょう。
ただし、ホテル群は駅の周辺だけであり、1分も歩いていけば住みやすい住宅街が連なっています。
◆注目の文化スポット3選
鶯谷には注目されるべき点がいくつもあります。
今回は鶯谷を訪れたくなる3つの魅力をご紹介しましょう。
先ずは博物館です。
鶯谷には3つの博物館があります。
一つ目は「書道博物館」です。
ここは昭和11年(1936年)に明治・大正・昭和期を通して活躍した洋画家・書道家である画家の中村不折が開館した博物館で、彼が40余年に渡り取集した約16,000点の書道に関する貴重な品々が収集されています。
そして、書道博物館の前にあるのが「子規庵」です。
その名が示すように、明治時代の代表的な俳人、正岡子規が最後に生活していた家です。
子規はこの家に明治27年(1894年)に移り住み、34歳でこの世を去るまで、ここで8年間を過ごしました。
残念ながら、オリジナルの子規庵は昭和20年(1945年)の東京大空襲により焼失してしまいましたが、その後に再建されて昭和26年(1951年)には東京都文化史蹟に指定されています。
子規庵は当時の面影がそのまま残り、庭で見られる野生のメジロ、子規が愛用していた机など、彼が病床から見上げていた景色を目にすることで、子規の世界に触れることができます。
3つ目は昭和を代表する落語家の1人である初代・林家三平師匠の記念館「ねぎし三平堂」です。
こちらも三平師匠の資料や愛用品の数々など、関連する文物が陳列されている展示室で、彼の軌跡を辿ることが可能です。
◆グルメな街
また鴬谷と言えば、老舗のレストランや料亭がある古くからのグルメスポットですが、最近ではラーメン激戦区として注目を浴びています。
美味しいと話題のラーメン屋さんが、徒歩5分以内に何件も並んでいるのです。
また、行列のできるレトロな喫茶店や、揚げパンが人気の店なども存在します。
このように、鴬谷はこれまでとはまた違ったグルメな街として脚光を浴びているのです。
◆散歩がてら寺社めぐりはどうですか?
なお、鶯谷では「下谷7福神巡り」ができます。
七福神巡りとは、江戸時代から続く正月の風習で、お正月の「松の内」期間中に寺社を巡るとご利益があると言われています。
下谷七福神巡りの距離は約3kmで、時間も1時間から1時間半で回れることから、七福神巡りの初心者にとっては、お勧めのコースと言えます。