東京都台東区根岸は下町情緒漂う場所です。
「根ぎし笹乃雪」は下町情緒を感じられる店でありながら厳選し気を配った食材を使っているので、これらを使用したメニュー作りは赤ちゃんや子供をもつお母さん方に安心して利用が出来るお店です。
また今でも水脈を地下八十メートルから採水しています。
今回は、この笹乃雪についてご紹介していきます。
◆正岡子規に愛されたお店
この笹乃雪は、なんといっても文豪「正岡子規」が愛した店として有名です。
正岡子規は、自身の執筆活動の拠点であり終焉の地でもある根岸の「子規庵」で執筆活動をしていましたが「笹乃雪」は徒歩2分の場所にあります。
創業は約三百五十年前の元禄四年、京より上野の宮様(百十一代後西天皇の親王)にお供をして江戸へ移り、江戸で初めて絹ごし豆富を作り茶屋を開いたのが始まりとされています。
店名である「笹乃雪」は店の豆富を好まれた宮様が「笹の上に積もりし雪の如き美しさよ」と賞賛されました。
それを屋号として現在に至るまでずっと店名も「笹乃雪」となり、当時賜った店の看板は現在も店内に掲げてありますので見て歴史を感じてみるのもおすすめです。
「豆腐」をなぜこの漢字を使わずに「豆富」というのか、「笹乃雪」を知れば知るほどその意味を深く感じられます。
今から約八十年前九代目当主が「料理店に腐るという文字はふさわしくない」と「腐」ではなく「富」の文字で記すようになったのです。
こだわりはこのようなことからも伺えます。
◆料理のご紹介
料理はコース料理と一品料理があります。
豆富料理の献立は個室と相席があり、個室の場合は事前予約制であり「呉竹の里」「根岸の里」「子規の里」があります。
コース料理名もその土地にゆかりのあるもので心使いが感じられます。
また相席は予約なしにいつでも利用可能で一品料理からコース料理まで自由に選ぶことが出来ます。
特に火曜から金曜の11時30分から14時限定の「鶯御膳」は手頃な値段でこだわりの料理をコースで味わえるのが魅力です。
他に「朝顔膳」や「初音御膳」があり一品料理から注文が出来、予約なしで利用可能というのがなんとも下町情緒を感じられ、ふらっと立ち寄りたいときなど便利で気楽に利用出来ます。
また事前に予約をしておきたい、という方にはネットで予約をすることが可能であり大変便利です。
◆最後に
正岡子規は「笹乃雪」の徹底した食材へのこだわりや厳選した品から作られる料理をとても気に入っていたのだ、という一句を作っています。
「叔父の欧羅巴へ赴かるるに笹の雪を贈り春惜むや日本の豆腐汁」、明治三十五年の作品です。
子規にとって笹乃雪の豆富とは何か、そんな深い思いが感じられます。
もう一つ笹乃雪には赤穂浪士の討ち入りに関した切ない話しが語り継がれています。
大石内蔵助以下17人が預けられた細川家に笹乃雪の豆富が届けられましたが、届けられたのは豆富だけではなく店の娘のお静の恋心も届けられていたのです。
あることがきっかけでお静と磯谷十郎左衛門は互いを知り、磯谷氏は度々来店していたようですが赤穂浪士の歴史を考えると恋の結末はつらいものだったようです。
根岸という場所や笹乃雪は現代も料理から様々なことが味わえる、そんな1度は足を運んで欲しいお店です。
JR山手線鶯谷駅北口より徒歩2分、営業時間は午前11時30分から午後8時ラストオーダーです。
【お店情報】
店名:笹乃雪
住所:台東区根岸2-15-10
アクセス:JR鶯谷駅北口改札から徒歩2分・東京メトロ日比谷線入谷駅2番出口から徒歩10分
TEL: 03-3873-1145
営業時間:11:30~20:00
定休日: 月曜日