所有しているマイホームなどの不動産売却を検討するタイミングは人それぞれです。
不動産の価値が上がったり、転勤による引っ越しだったりとさまざまな要因が考えられますが、ライフステージの変化も不動産売却のタイミングの一つといえるでしょう。
しかしライフステージの変化によって、どのような不動産売却をおこなえば良いのか迷ってしまう方もいるかも知れません。
そこで今回は不動産売却のタイミングでもあるライフステージの変化のなかでも、「出産」「子どもの独立」「親が亡くなる」とそれぞれのケースの売却方法についてご紹介します。

ライフステージの変化「出産」による不動産売却とは？

不動産売却を検討する際の最初のタイミングとして多いのが出産かも知れません。
夫婦2人から家族が増えることで、子どもが安心して遊べる間取りや、おもちゃなどの収納スペースなどが必要となり、現在住んでいる家では手狭になってしまいます。
また出産のタイミングで不動産売却をおこなうことで、売却資金を元手に子育てを念頭に置いた家を購入できるだけでなく将来の資金計画も立てやすくなります。
さらに出産することで手厚い子育て支援をおこなっている自治体や、通わせたい学校のある街など、夫婦2人のときとは違うエリアへの住み替えを検討するタイミングともいえるでしょう。

出産のタイミングで不動産売却をおこなう方法

出産してから慣れない育児をおこないつつ不動産売却や住み替えなどを進めるのは負担が大きくなるため、不動産売却や住み替えは出産前に終わらせてしまうと良いでしょう。
すでに出産後の場合でも、子ども関連の荷物が増え引っ越しが大変になるまえに不動産売却や住み替えをおこなうのがおすすめです。
できるだけ早く不動産を売却するにはいくつかの方法があります。

●売却額を相場より安く設定する
●買い手との価格交渉に可能な限り応じる
●不動産会社が直接買い取る「買取」を検討する

スムーズな売却をおこなうのであれば、購入希望者が増えるように査定額などの相場価格より少し低めの価格設定をおこなうと良いでしょう。
また買い手との価格交渉時には可能な限り譲歩し応じることも不動産を早く売却するためのコツといえます。
しかし不動産の立地や状態によっては購入希望者が少なく、売却に時間がかかる場合があるかも知れません。
そのような場合は不動産会社が直接物件を買い取ってくれる「買取」を選択肢にいれるのも良いでしょう。
買取は買い手を探す必要がないため、少しでも早く不動産売却をおこないたい方にとってはおすすめの方法です。

ライフステージの変化「子どもの独立」による不動産売却とは？

次に考えられるライフステージの変化は「子どもの独立」です。
子どもが成長し進学や就職、結婚など子どもの独立するタイミングで再度夫婦2人の生活に合わせた住まいを考える必要があります。
リフォームなどを検討するケースもありますが、老後の生活を視野に入れて利便性が良くセキュリティの良い家に住み替えるのも良いでしょう。
子どもの独立直後は、大きな家でも管理維持することができますが年齢を重ねると大きな家の維持は大きな負担になりかねません。
また不動産売却や住み替えなども元気なうちにおこなうほうがスムーズに進むため、子どもの独立というライフステージの変化は不動産売却や住み替えのタイミングといえるでしょう。
住み替え先には今住んでいる場所の近くや、子どもが住んでいる場所の近くで安心して過ごすのがおすすめですが、思い切って新しい場所で新しい生活をはじめるといった選択肢もあります。

子どもの独立後に不動産売却をおこなう際のポイント

子どもの独立後に不動産売却をおこなう際には、売却前に古くなった家をリフォームするべきか迷う方が多いのではないでしょうか。
リフォームをおこなうことで、見栄えが良くなり高く売却できる可能性がある一方で、リフォーム価格を上乗せした売却価格が相場より高くなり売却まで時間がかかるデメリットもあるでしょう。
また中古住宅を購入したいと考える方のなかには、安く物件を手に入れて自分で好きなようにリフォームしたい方も多いため、フルリフォームで高い物件よりもリフォームされていない安い物件を選ぶ傾向があります。
そのため基本的にリフォームは不要ですが、破損箇所や設備の簡易的な修繕、ハウスクリーニングは物件の印象が良くなりスムーズな売却につながることもあるので、検討しても良いのではないでしょうか。
中古住宅などの不動産売却をおこなうときには、できるだけ費用をかけずにスムーズに売却するのがポイントといえます。

ライフステージの変化「親が亡くなる」ことでの不動産売却とは？

不動産売却におけるライフステージの大きな変化の一つに「親が亡くなる」ことが挙げられます。
親が亡くなることで親名義の不動産相続が発生することがあり、相続した不動産に居住することがない場合や遠方の場合には相続した不動産を売却する方も多くいるためです。

相続した不動産の売却方法

親が亡くなり相続した不動産は「相続登記」をおこなってから売却をおこないます。
相続登記とは法務局に登記されている故人の不動産名義を相続人に変更する手続きのことです。
相続登記をおこなうためには、相続人を確定し複数の相続人がいる場合は、遺言書や遺産分割協議をおこない各相続人の持ち分や、新たな所有者を確定させる必要があります。
その後必要書類を揃え相続する不動産を管轄している法務局に相続登記の申請をおこないましょう。
相続登記に必要なのは以下の書類です。

●遺産分割協議書
●故人の戸籍謄本（出生から亡くなるまで）
●故人の住民票の除票
●すべての相続人の戸籍謄本と住民票の写し
●すべての相続人の印鑑証明書
●相続する不動産の固定資産評価証明書
●相続する不動産の全部事項証明書
●登記申請書

相続登記に必要なのは主に上記のような書類ですが、不動産を法定相続どおりに相続する場合や、遺言書による相続の場合には、印鑑証明や遺産分割協議書は不要になります。
不動産の相続手続きは複雑な面も多いため、不安な方は専門家である司法書士に依頼するのもおすすめです。
相続登記が終了し名義人の変更がされたら、不動産会社と媒介契約を結び売却を依頼しましょう。

親が亡くなることで相続した不動産売却にかかる税金

相続した不動産を売却する際には大きく分けて4つの税金がかかります。
不動産を相続したときにかかる相続税、相続登記にかかる登録免許税、売買契約書に必要な印紙税と売却時に利益が発生した場合にかかる所得税です。
譲渡所得税は売却額から所得費用や譲渡費用を引いて残った利益（譲渡所得）に課税される住民税や所得税などの総称で、利益がゼロやマイナスの場合には課税されません。
また譲渡所得から3000万円を控除できる「マイホーム売却の3000万円特別控除」の特例や、「相続した空き家を売却する際の3000万円特別控除」の特例などがあるため、事前に要件を確認し上手に活用することで節税することができるでしょう。

まとめ

ライフステージの変化である「出産」「子どもの独立」「親が亡くなる」ケースの不動産売却についてご紹介しました。
出産で子どもと生活する家と子どもが独立し夫婦2人で暮らす家は、サイズや間取りも変わるため不動産売却のタイミングといえるでしょう。
ライフスタイルの変化に合わせて柔軟に不動産を売却し住み替えるのも、快適に生活をするための一つの選択肢かも知れません。
また親が亡くなることで不動産を相続するのもライフステージの変化の一つといえます。
今後の生活やライフスタイルをご家族と話し合って、より良い不動産売却につなげると良いのではないでしょうか。

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